禁煙治療
患者様一人ひとりに合った禁煙指導を行います
タバコが身体に悪いことを知らずに吸っている人はほとんどいないでしょう。しかし、身体に悪いといっても、具体的にどんな病気と関係しているのかは、意外に知られていないようです。
実際に、タバコを吸っていると、代表的な肺がんだけでなく、動脈硬化が原因で起こる心臓の病気(虚血性心疾患)や脳卒中など、全身の様々な病気にかかりやすくなります。
がんについても、肺だけではなく、喉頭がんや膀胱がん、子宮頸がんなど、喫煙は多くの部位におけるがんのリスクとなります。また、あまり知られていませんが、糖尿病やメタボリックシンドローム、胃潰瘍、不妊などのリスクが高くなるほか、手術後の経過に悪影響を及ぼすことも知られています。
喫煙がリスクを高める病気
- がん
- 肺がん、急性骨髄性白血病、口腔・咽頭がん、喉頭がん、食道がん、胃がん、すい臓がん、腎臓がん、膀胱がん、子宮頸がん
- 循環器の病気
- 心臓の病気(冠動脈疾患)、脳卒中、末梢動脈疾患、腹部大動脈瘤
- 呼吸器の病気
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎
- 生殖
- 低出生体重、妊娠合併症、不妊、乳幼児突然死症候群(SIDS)
- その他
- 糖尿病、メタボリックシンドローム、胃潰瘍、手術結果・治癒不良、股関節部骨折、骨粗しょう症、白内障
最初の診察で行うこと
- 1.ニコチン依存症かどうかチェック
- ニコチン依存症のチェックをして、保険診療を受けられるかどうか確認します。
- 2.一酸化炭素濃度の測定
- 息に一酸化炭素(タバコに含まれる有害物質)がどれくらい含まれているか、確認します。
- 3.「禁煙開始日」を設定し、禁煙宣言
- 相談しながら、禁煙開始日を決定し、「禁煙宣言書」にサインしていただきます。
- 4.禁煙経験の確認とアドバイス
- 健康状態やこれまでの喫煙・禁煙歴を確認します。ニコチン切れ症状の対処法など、あなたに合ったアドバイスをいたします。
- 5.禁煙補助薬の選択
- 禁煙補助薬の特徴と使い方の説明を受けて、あなたに合った薬を選びます。
治療法について
ニコチンを含まない飲み薬
1日2回(※1)食後に飲みます。飲み始めの1週間はタバコを吸いながら服用し、8日目には禁煙を開始します(※2)。
通常、服用期間は12週間です。
※1 1日1回から開始し、飲み始めの1週間で徐々に服用量を増やします。
※2 自然にタバコを吸わなくなった場合は、8日目を待たず早めに禁煙に入ります。
- 一定の要件を満たすと健康保険等が適用される
- 肌の弱い人でも使用できる
- 飲むだけなので簡便
- 接客などの職種や歯やアゴの問題などでガムをかめない人でも使用できる
- ニコチンを含まない
ニコチンパッチ
ニコチンを含んだ皮膚に張る薬です。1日1回、上腕やお腹、背中などに貼ります。標準的な試用期間は8週間です。皮膚のかぶれを防ぐため、毎日貼る場所を変えるとよいでしょう。薬局・薬店で購入するタイプと、医院で処方してもらうタイプがあります。
- 人に気づかれない
- 接客などの職種や歯やアゴの問題などでガムをかめない人でも使用できる
- 医師に処方してもらうタイプは、一定の要件を満たすと健康保険等が適用される
健康保険等の適用について
- ニコチン依存症を診断するテストで5点以上
- 1日の平均喫煙本数×これまでの喫煙年数が200以上
- 1ヵ月以内に禁煙を始めたいと思っている
- 禁煙治療を受けることに文書で同意している(→問診票などに、日付や自分の氏名を書きます。)
以上の用件を全て満たす場合、健康保険等を使って禁煙治療が受けられます。ご相談ください。